御由緒タイトル

神葬祭・服忌

神葬祭(しんそうさい)

神道の形式によって行われる葬儀を「神葬祭」といいますが、葬儀というと一般的には仏教の専門と思われがちで、事実、仏教の形式によって行われる葬儀が大半を占めています。しかし、神葬祭はすでに仏教伝来以前からあったことが、『古事記』『日本書紀』といった古典にも記されていて、日本固有の葬法があったことを物語っています。

仏教では、位牌(いはい)に戒名を記しますが、神道では位牌とはいわず、霊璽 (れいじ )という白木の御霊代 (みたましろ )を用意し、こちらに故人の御霊をお遷しいたします。霊璽には生前の名前の下に、おくり名と呼ばれる称え名がつきます。

  • 成人男性は某氏名大人命 (うしのみこと)
  • 成人女性は某氏名刀自命 (とじのみこと)

神葬祭の流れ

人が亡くなるとまず、その死を氏神さまに報告します(帰幽奉告(きゆうほうこく))。その後、神棚、御霊舎(みたまや)の扉を閉め白い半紙を下げます。

  1. 通夜祭の儀(つやさい)
  2. 遷霊祭の儀(せんれいさい)
  3. 葬場祭の儀・告別式(そうじょうさい)
  4. 火葬祭の儀(かそうさい)
  5. 帰家祭の儀(きかさい)

その後、霊祭(みたままつり)として五十日祭を行いこの日から喪があけるので、御霊舎におうつしします。

またお参りの作法も音を立てない偲び手から、音を出す拍手へと変わります。この日以降に納骨祭をするのが一般的です。

一年祭、三年祭、五年祭、十年祭、あと十年ごとにおまつりします。御霊舎に納められた御霊は家族の最も身近な祖霊(それい)として、節目節目の霊祭はもちろんのこと、日々の生活を共にし、毎月一日、十五日は月の節目としてお供えをし、おまつりします。

服忌(ぶっき)

「服」とは喪服を着ることつまり喪に服すること、「忌」は人の死を畏れ(おそれ)忌むことを意味します。この期間中を「服忌」「忌服」と言い、神社への参拝、祭りごとへの参加、お祝い事等を遠慮するのが一般的です。

家族等が亡くなった時、年末年始の挨拶、年賀状は遠慮し、門松、しめ飾りなどもお飾りしません。

服忌の期間
父母・夫・妻・子については 五十日
祖父母・孫・兄弟姉妹については 三十日
曾祖父母・曾孫・甥・姪・伯叔父母については 十日
その他の親族については 三日
特に親しい友人知己については 二日程度
配偶者の親族については、前項を一項づつ繰り下げた日数による。
本葬・社葬などが上記の期間を過ぎて行われる場合は、さらにその当日のみ服する。